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菓子製造・販売における賞味期限偽装

概  要

 製菓会社のA社は、自社のヒット商品である菓子の小売店への供給を保証するため、在庫を積み増して出荷時に賞味期限を書き換えたり、返品されたキャンペーン限定商品の賞味期限を再販目的で延長したりする等の偽装を行った。

 

内  容

 北海道の製菓会社であるA社は、例年夏の繁忙期に同社のヒット商品であるチョコレート菓子の小売店への供給を保証するため在庫を積み増し、出荷時に賞味期限を書き換える操作を行っていた。また2007年5月には、同菓子の30周年記念キャンペーンで限定商品を大量に製造して販売を行ったが、売れ残って返品された4,328セットを再販目的で再包装する際、本来の賞味期限より1ヶ月長く改ざんして販売を行った。その際、従業員と思われる人物からA社に電子メールで改ざんに関する情報が寄せられたが、担当役員はとりあわず、社長には報告されなかった。

 その後6月末に、同社の製造したアイスクリーム類から大腸菌群が検出され、再度同社にメールが寄せられたものの同様に放置された。さらに、7月にはバウムクーヘンから黄色ブドウ球菌が検出され、この際は回収されたたものの公表はされなかった。

 8月になって、同社の従業員を名乗る人物が札幌市保健所に告発したことを契機に、同社は不祥事の全面的公表を行うとともに約3ヶ月の自主休業を発表するにいたった。

 北海道と札幌市保健所によるA社に対する立入り検査が行われ、北海道は、賞味期限書換えが日本農林規格(JAS)法・加工食品品質表示基準第6条第3項違反に当たるとして再発防止・点検体制整備等具体的な改善策に関する報告をするように指示した。札幌市保健所は、アイスクリーム類から大腸菌群が検出されたとして、食品衛生法違反で該当商品の廃棄を命令し衛生管理全般の改善を指示した。

 

事件の影響

1 市場環境への影響

  • 北海道内の空港、デパート、キヨスク、各観光地の売店等からA社の全商品の取り扱いが中止、撤去された。
  • 2007年は、本件を含め菓子製造会社、食肉加工会社、料亭等による産地・原料の偽装や賞味期限の不正表示が多発し、食品に対する消費者の不信感を助長した。

2 競合他社への影響

  • 土産店からA社の製品が姿を消したことにより、他の北海道内の観光土産メーカーは増産態勢となり、空きスペースにこれらメーカーの商品が陳列されるようになった。

3 社内への影響

  • A社は、地域経済を牽引している中核企業で、地方銀行など主として北海道の地縁関係での応援・同情勢力が、プラスに働いたものの、約3ヶ月間の休業による決算期における営業損失は免れない。
  • A社は、社外識者らによるコンプライアンス(法令順守)確立外部委員会を設置し、一連の不祥事の原因が体制・組織にあるとの指摘を受けて、一からの体制づくりを開始した。
  • A社は、改ざんをしにくくするため、賞味期限が箱にだけ表示されていたものを、中の菓子の袋一つずつにも期限を表示するように改善するとともに、印刷機械には電波時計を内蔵し、社長と工場長しか日時の変更を行えないようにした。

 

参考資料

[新聞・雑誌]

毎日新聞、東京新聞、北海道新聞、中日新聞、四国新聞、福井新聞、北國新聞

[インターネット]

朝日com、YOMIURI ONLINE、NIKKEI NET、日経BP、Fujisankei Business、産経WEB、時事ドットコム、マイライフ手帳@ニュース、Wikipedia、OhmyNews

投稿者 社長のためのリスクマネジメント情報 :2008年2月14日

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